卒業までの数週間、不謹慎かもしれないけれど、旅立つことが楽しみで楽しみでしょうがなかった。
3年間のうちに、いつの間にか造り上げられていた柚木玲依という人物から、早く、抜け出したくて。
蒼井との関係も含め、滞っていたものが全部、卒業をきっかけに生まれ変わるような、キレイに洗い流されるような、そんな感じが、してたから。
─…でも、違ったね。
「玲依〜!写真とろー!」
振り返ればそこにいる仲間を、笑顔を。
洗い流すなんて、悲しすぎるね。
「うん!撮ろ撮ろ!」
校舎を挟んで、体育祭を行ったグランドとは反対側にある、出来たばかりの新しい校庭。
未だ式典の際に唄った、最後の校歌と、式歌のメロディが残るままに、シャッターを押した。



