ただ、大好きでした。




体育祭以降、立ちはだかったのは"受験"という、必然的な壁だった。


必ず、訪れると分かっていたもの。



いくら蒼井が県内トップ校を狙っていようがなんだろうが、関わりを持てなくなった理由にはならない。






─…あたしに、後一歩を踏み出す勇気がなかっただけ。





視界に入っても、すれ違っても。


あたしから、目を背けていた。









「………」





─…逃げて、ばかりいたの。





あまりにも、体が震えるから。

頭が、回らないから。




どんな顔して話せばいいのか、分からなくて。





耳元でうねる心音に呑まれそうで恐くなって、逃げ出したの。







蒼井からも、自分からも。