「もぉー」
温かい和やかな雰囲気が、ふわぁっと、滞りなく広がっていく。
蒼井とこうやって、ただ笑い合ってるだけなのに、一瞬、一瞬が、光を放ちはじめる。
キラキラしてて、綺麗で。
確かにあたしは“今この瞬間”が、どれほど大切かを感じることができた。
突如、ガサゴソッと存在を知らせてきた猫に、ふたりして、肩を揺らして驚いて、からかい合ったりして。
─…今の関係以上を望むなら、造り出せる場所はもう、未来にしかあり得ない。
そう、思ったのに。
“今の幸せ”を手放すのが、怖い。
─…輝いていた、中学校生活最後の夏
壊してしまうかもしれないと思うだけで、どんどんどんどん、臆病になっていったんだ



