ただ、大好きでした。




「び、っくりした…」

「ほんとだよー!すっごいびっくりしたんだから」


ついさっきまで腕を絡ませていた女の子に便乗して、いかにもな態度を示す。


けど、ほんとにもし、心から恐怖に怯えて驚いていたなら、


「あたしは、玲依の声にびっくりしたよ…」


きっと、こんな反応なんだ。


「へ…?!あ、ごめん…!」


目を見開き、息を詰まらせているような、彼女。


別に意識してやった訳じゃないと思うのに、自分がしたリアクションがオーバーだったような気がしてしまう。



…違うな。やっぱりどこかしら偽造が入っていたのかも。

無反応より反応があった方が、仕掛けた側は嬉しい、はず…。そう、無意識に定理付けていて。


要は、蒼井に喜んでもらいたかったんだ。




「あーあー、柚木さいてぇー」


─…明らかに、一方的な、エゴ。



よくよく考えてみれば、あの声はさすがに凄まじかったし。騒音問題で、近所迷惑なだけだ。



「玲依おまえうっせぇよー!!」


遠く離れた土手の上からまで、知夏の暴言が飛んでくる程に。