ただ、大好きでした。




「…ほんと絶対、どこにもいかないでよ?」


今にも消えてしまいそうにあっちこっちをユラユラと旅するライトに、不安が募る。


だけどその反面、不思議な感覚に胸を刺激されていた。


─…恐怖と、ほんのちょっとの好奇心


ドクンと恐怖に反応する音の影で、トクトクと鳴り続ける鼓動



「はいはい」



─…何か起きてくれと願う、期待。




「………」



言葉では表現し難い感情に支配され、ヤケになったか、余計なことを考えられなくなったか。


蒼井との間に感じていた壁は、いつの間にか姿形を消していた。




ただ、蒼井と。蒼井が照らしてくれる懐中電灯の灯火に、不安や恐怖を預けていた。