ただ、大好きでした。




「ははっ」


と、笑い声を洩らす蒼井の表情は、見えなくて。

体は強張ってるし、後ろを振り返る余裕もなかった。


─…ここを歩くのは、2回目なのに。



数分前、あたしは誰か別の人とペアを組まされて、同じ道を歩いていた。

その相手が誰だったとか、どうやってやり過ごしたかとか全く分からないけれど。


とにかく強引に、この状況を作り出してくれたのが知夏だってことだけは、覚えてる。