狂愛ゴング


「そんなことで人に好きとか言えるあんたのほうがよっぽど変人だと思うけど?」


私のその言葉に、目の前の女の子は少し驚いた顔をして、ワンテンポ遅れてから窓際の女の子達がプーッと吹き出した。

風船かこいつら。破裂しろ。


「あはは、なに? 自分もよっぽど変人だっつーの」

「変人同士は波長が合うんじゃない?」


ああ、ボディーガードだったなこいつら。
友達が攻撃されたから加勢してきたわけですか。

いや、まあ、言っている意味がわからないわけではないけれど。

なんか、怒りも湧いてこないくらいバカバカしい。なんでこんな人と話して時間を潰さなくちゃいけないんだろう。

呆れていると、目の前の女の子が友人の加勢により、少し息を吹き返して「なに言ってんの、あんた」と声を発した。


「あんただって言ってたじゃない。あんたも分かってるんでしょ? 新庄くんが変な人だってことくらい。口が悪くて気分屋で、最低で冷血人間。いいところなんて顔だけの奴だって。あんな変わった人間、なんで私が好きにならなくちゃ——……」


その言葉は、最後まで聞くことが出来なかった。
気がついたら、私の足は思いきり、ドアを蹴り飛ばしていてその音によって彼女は言葉を失ったから。

ドアがバシン、と音を響かせると、同時にガラスにビシビシっとヒビが広がり、一部が地面に落ちて、音が弾け飛んだ。

その音は廊下の端から端にまで響き渡って、私達を中心に、周りが静寂に包まれる。


「な、な……に」


その沈黙を破ったのは、目の前のクソムカつく女の戸惑う声。



「確かにね、あいつはクソみたいで、外道のようなゴミみたいな男だけどね。……あいつと向き合いもせずに知ったようなこと言わないでくれる?」