狂愛ゴング


「どういう意味?」

「あーいや、あの人、新庄って、ウワサもさることながら本性もひどいもんなのに……なんでそんなに好きなのかなーっと……」


眉をひそめて私を見る彼女から視線を逸らしてもごもごと答えた。

なんでそんなに付き合いたいんだろう。
なにがそんなに魅力なんだろう。

正直さっぱり分からない。

彼女が私の元にまできて文句を言うほど好きなんてマジで1ミクロも理解出来ない。しかも私が悪いと思っているから責めているんじゃなくて、自分が振られたことへの八つ当たりだったらなおさら。


「……別にそんなのどーでもいいのよ」


私をじっと見てから、彼女はくすっと笑みを零して言った。

……えーっと?
私日本語わからなくなったのかな。


「新庄くんがどんな性格だろうかそんなの、どうでもいいの。そんなの重要じゃないんだから。あの顔が隣にあればいいの。あとは、あんたみたいな評判の悪い、見た目も中の下と付き合うために振られたってことよ」


なんだそれ。
そして私に対しての発言ひどすぎない?


「じゃあ、えーっと? 別に新庄のことなんか好きじゃないってこと?」


この際、私に対する暴言には目を瞑ってあげよう。特別に。
ただ、それよりも。

そんな理由で、今こうして私の目の前にいるの、あんた。
そんな理由で、新庄と付き合って、新庄にすがりついて、そこまで付き合っているっていう“カタチ”にこだわってるってなんじゃそら。


「当たり前でしょ? あんな変な人」

「——バカじゃないの?」


彼女の開き直ったような顔を見て、思わずそういってしまった。
いや、でもバカだと思う。

言ったことになんの後悔もないくらいに。私はこの子のことを心底バカにしている。