「……あんたのこと好きな物好きはあんたのその変な最悪な性格も好きなんじゃないの?」

「恋愛経験ないわりに察しがいいな」


一言余計だよクソが!!
恋愛経験ないなんて決めつけやがって! ないけどね、ええありませんけれど?


「俺のこと好きなのは嬉しいんだけどねー途中で辛すぎてやめるか、それでも
いいって言い出すかどっちかでなー……。面白くないんだよなあ」


……頭おかしいんじゃないの。
いや、おかしいのか。わかってたことだ。


「お前、どんな男が好き?」


——どんな男が? 言われてみると……どんなんだろうなあ。

突然の質問に、真面目に首を傾げた。

自慢じゃないけど恋した覚えは小学校くらいからない。あれが恋だったのかどうかもまあ微妙ではあるけれど……。

付き合ったことも自慢じゃないけどないわけで……。

うーんと頭をひねり捻り考えると、新庄の方から鼻で笑ったような息が聞こえる。

じろりと睨むと案の定、これでもかと言うほどのバカにした笑い。畜生。


「ガキ」


くそっがあああああ……!


「あんただってこの年になって付き合ってるかもしれないけど誰も本気で好きになったことはないんじゃない! ガキよガキ。好きな女の子いじめて喜ぶ小学生と同類。自分が楽しい相手を待ってるだけで、手当たり次第付き合って、それで自分の好みじゃなかったから別れてるんでしょ? 優しくしたり、守ってあげたりとかそういう紳士的なことも出来ないでえっらそーに! そんなもん、恋愛経験なんかに加算されないわよ。せいぜいカスランクくらいじゃないの? やったねカスランクなら世界一! よ! カス王!」


ふん! と鼻息荒く言いたいだけ言ってそっぽを向くと、新庄はなにも言わなかった……。

それが、逆に気持ち悪い。