狂愛ゴング


「……なんであんなのと友達になれるんだろ」

「あ、その言葉! 私も中学の時友達に言われたことあるわー」

「…………あ、そう」


返す言葉もないわ!
ああ、私って結構新庄のこと言えない立場なんだな……やばい、泣きたくなってくる。


「あんなのどーでもいいから。俺は早く飯がくいてーんだよ」


騒がしかった友達の輪の中から、イライラしているのだろう。新庄の不機嫌な声が聞こえた。

あんなのってなに!


「いや、お前らは一緒に行けよ。彼女持ちと一緒に食べる飯なんかねえよ」

「は?」

「お前もこんなところで弁当食ってねえで、彼氏といけよー」

「はあ!?」


男友達の言葉に、私も新庄も動きが止まる。
なんってお節介な奴らなんだ。

友達のひとりが私のそばにやってきて、戸惑う私も泰子も無視して無理矢理新庄のそばに連れ出した。


「な、なな」

「仲よくしろよー」

「お前ら……」


どん、と私を新庄に押し付けてから、ポンっと彼の肩に手を添えた。


「じゃーな」


そしてそう言って踵を返す。
多分、食堂に向かったんだろう。私と、新庄を置いて。

え? ちょ、ちょっとまって?

新庄も連れて行けよおい!


「……ったく。ほんと、マジでお前疫病神だな。腐ればいいのに」

「腐ってる奴に言われたくないわよ!」


眉間に皺をぎゅうーっと寄せて、新庄が私を睨む。
……その目やめてください。