狂愛ゴング


信じるだけならまだしも、なんで私が睨まれないといけないのか。

2回も泣かされたのに、あんなにひどいことをされたのに、まだ新庄が好きなことも信じられない。

新庄が好きな気持ちを抱く女の子みんなあんなんなの? もしかして新庄なんか宗教でもしてるんじゃないの?なんなの怖い。


いやもうなにからなにまで理解出来ない!


付き合ったら実は優しいんですーとか?
私の知らない新庄のすごい魅力があるとか?

いやいやいやいや、ないし!
あったら切腹できる!


「なんか私が頭おかしいんじゃないかってくらい世間がわからない……」

「澄の場合は元々おかしいから」


…………それどーいう意味?




午前終了のチャイムが鳴り響いて、はーっとため息を漏らした。
やっと半日の終了。

昨日といい今日といい。なんで休み時間になるたびに野次馬が集まるのだろう。気になって落ち着かない。

さりげなく見に来ているつもりだろうけれど、バレバレだからなお前ら!

ドンっとお弁当を机において、とりあえず腹ごしらえを考える。

お腹が空いているからイライラするのかもしれない。
このままではまた切れてしまう。誰彼かまわす怒鳴り散らしてしまいそう。

それだけは避けなければ!


「よ、新庄。食堂行くの? ってか彼女と飯くわねーの?」


ぱかっとお弁当のふたを開けて、ようし! と思った瞬間。

男の声といやな名前が聞こえて動きが止まる。

目の前にいつの間にか座っていた泰子も、ぴたりと動きを止めて声のする方に同時に顔を向けた。

……なぜ?

廊下には、新庄。なぜここにいるお前。