「仕方ないから付き合ってあげるよ」
「は? なんでお前に俺が付き合って貰わなきゃいけねーんだよ。俺が付き合ってやってるんだよ」
「あんたが付き合うって言ったんでしょうが!」
なんなのほんとになんなの。
私の言葉に、眉間に皺を寄せて私を汚いゴミを見るかのような視線で見ないで!
ぐぐぐ、と睨み続けると、新庄は一通り注文を済ませてから「はー」とこれ見よがしなため息を零した。
レジに肘を置いて後ろを見るその姿がカッコイイなんて思わないんだからな!
私の後ろに居る女の子達の視線が常に新庄に向けられているからって私もそうだと思うなよ?
「お前、ウワサ以上にバカで単細胞だな。脳みそ移植したらいいんじゃね?」
「移植するならまず自分がすべきでしょうが! その性格なおしなさいよ!」
バカは否定しないけどね!
あんたと私ならまだ私の方が害のない性格だと思うけど!?
「お前やっぱ帰れば? お前のゴミみたいなアホな顔見ながら飯食いたくねーわ」
「いやならあんたが帰れば!? 私はお腹が空いて今から食べるんだけど。どーしてもっていうなら帰ってあげないこともないけど?」
ふん! と鼻息荒くレジに並んでいやそうな顔をする新庄を見ることなくポテトとジュースを注文した。
そして財布を開いて……びしっと体が固まる。
先に注文した新庄は、渡されたトレイを手にして席に向かおうとしているところだった。
「新庄くん、お願いがあるのですけれども……」
「はあ?」
財布の中には200円。
あとわずかのお金が足りないことに今更気がついた。そうだ、今日はまだ小遣い前。
財布の中身も確認せずに頼んだ私の目の前には揚げたてのポテトが用意されている。
私の呼びかけに一度は振り返り足を止めたけれど、私の顔からことを察した新庄は再び背を向ける。



