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っきしょー!!
空は青く塗りつぶされているっていうのに、この心の真っ黒な感情をどうしてくれようか。
一晩寝ても落ちつかない怒りに震えながら学校に向かう。怒りで寝不足なくらいだ!
くっそー思い出しても腹が立つ。頭からまだチョコレートの香りがする気がするし。
あんなにごしごし洗ったのに。
洗いすぎて若干頭皮が痛いのに!
忘れてやりたいのに忘れられないほど憎い。憎い。憎いのが悔しいくらいだ。
もし今日学校で顔を合わせたら“どなた様ですか?”と涼しい顔して挨拶したいところだけど出来そうにもない。
出会った瞬間頭突きを喰らわせてやりたい。私の石頭であいつの頭蓋骨破壊させてやりたい。
あんなにも鬼畜な男だとは…ウワサなんてまだかわいいもんだ。実物はウワサの数倍クソだ!
バシーンと自分の靴箱の扉を勢いよく閉める。
あーもう、イライラする。
どーにかしてあいつをぎゃふんと言わせる方法はないものか。
上履きに履き替えてドスドスとがに股で教室に向かっていると、ふと、違和感を抱いた。
——なんだか落ちつかない。
なんだか、視線をかんじるのは……なんだ? なんか見られてる?
ふと周りをキョロキョロと見ると、そばにいた学生はパッと視線を逸らす。
え? なに? なんなのよ。
もしかしてアイス!? アイスの臭いがするとか?
くんくんと自分の制服を臭うけれど、自分ではよくわからなかった。
「すううううーーみいいい!」
「ん?」
背後から大声で名前を呼ばれ振り返る。
視線の先には、私に向かって猛ダッシュで走ってくる泰子の姿が見えた。



