でも……好きになる人はおかしい、というイメージはやっぱり仕方なくて。そんなふうに思われることに対して新庄はどう思っているんだろう。
告白してくる女の子達のことも……どう思っているんだろう。
いや、今まで告白してきた女の子達は、みんなどんなつもりだったんだろう。
そう思うと新庄もちょっとかわいそうかも知れない。みんな、“顔だけ”なのかなあ。だったら、あんな態度になるのも…………いや、わかんねーわ。
ねじれた性格のせいなのか。
もしくは、そういう女の子たちのせいでねじれた性格になったのか。
絶対前者だし。
「まー別に新庄も悪い奴じゃないんだけどなー。本当にいいとこなかったら誰も友達にもならねえし。不思議と友達は多いしなあ。おもしろいしな、一緒にいると」
「どこが悪い奴じゃないのか説明して欲しいくらいわかんない」
どこが。
どのへん。
なにが。
新庄が?
なに一つ分からない。
私の言葉に、んーっと首をひねって考える男の子はなにも言葉を発さずひたすら考える。
ほらみろ。思いつかないんじゃないか。
「まーわかんないけど」
「……あのね……」
「でも、本当に悪い奴だったら、誰も新庄と付き合わないだろうし、お前も1ヶ月も一緒にいてねえだろ」
それは……そうなのかな? さっき道江にもそんなことを言われたっけ。
「負かしてやりたいから一緒にいるだけだけど」
「それでも、多分こんなに一緒にはいないと思うけどな」
ふは、と笑いながら彼が言う。
なんだか複雑だし。なんだか、そんなの……聞きたくない。
むかつく。こいつじゃなくて、自分と、新庄に。無性に苛つく。



