狂愛ゴング

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時間は無情。
そう思わずにはいられない……。さっきもこんなこと考えたような気がするけど。

否応なしに放課後はやってきて、朝以上に新庄と向き合うを避けたい気持ち、

こんなに自分が根性なしだなんて思わなかった。最悪だ。道江があんなこと言うからだ。

あんなことを言うから意味の分からない思考に捕らわれてしまっただけ。

そう信じたい。信じたいけど今、新庄には会いたくない。

こんな気持ちで会ってしまったら……どうなってしまうかわからない。自分がわからない。

意地っ張りでは誰にも負けないはずなのに、意地っ張りのまま、だらだらと心の中では逃げっぱなしじゃないか。


「——死ね」

「え！？」


呟いた言葉に、私の席の隣を通り過ぎたクラスメイトが驚いた声を出して脚を止めた。


「え！？　あ、ごめん、独り言だから！」


思わず顔をばっと上げて慌てて弁解をする。声に出してしまっていたことすらも無意識だった。どんなけいやなんだか……。


「あーなんだ……びっくりしたーお前になにかしたのかと思った。お前に嫌われたら家崩壊させられそうだしな」

「……それどういう意味よ」


私の言葉にははっと声を出して笑う彼が余りにも今までの日常と違って、笑う所じゃないのに私まで釣られる。


「お前怒ると大騒動になるじゃねえか、今もあの新庄と一緒にいるんだろ？　あいつとは友達だけど、あいつと付き合うなんて正気じゃできねえからなー」


けたけたと笑われるとなんと言っていいのか分からず苦笑する以外にない。やっぱそう思いますよね。そうですよね。そうですよね。

男友達からもここまで言われるなんて。どんなんなんだあの男は。