「お前は馬鹿だから気がつかなかっただけだろ。気がついたら結構見てるぞあいつ。あいつストーカーだったんじゃねえの? 別に四六時中ってわけでもないし、後を付けられてるわけでもないから放置しているけど」
「……そうなの?」
「さっきいたから、そのまま見に来たんじゃねえの? どーでもいい」
へえ。
新庄とまともな会話していることにも驚きだけど……それはこの際どうでもいいとして。彼女のことなんて全然気がつかなかった。
視線に慣れすぎたのかも知れない。
そう、窓から私たちを見つめる彼女。
勇気を振り絞って、顔と一緒に視線を向けると、案の定彼女の視線と、ばっちりとぶつかった。
「あ、道江さん、か」
顔をハッキリ見て思いだした。
それと同時に、彼女は私のことを睨み付けたのだけれども。
……そんなに私が嫌いか。
いや、それよりも……。
「じゃ」
「……え?」
とある考えが浮かんだと同時に、目の前の新庄は立ち上がる。
パンパンと、お尻を払いながら。
「お先に」
「え? ちょ、なにあんた! ひとりにしないでよ! 淋しいでしょ!」
「は? なんで俺がお前なんかをまたねえといけねえんだよ。トロイのが悪いんだろ? あとお前と話すよりも友達と話した方が楽しいし」
いや、いやお前さん。
彼女なんでしょうが私は! 彼女が食べ終わるまで待つのが普通でしょう! なに勝手に食べて勝手に去ろうとしてるわけ?
っていうか迎えに来たのはお前だろ。



