初めての花火

そう言ってヒイラギは冬に再会した時と同じような、穏やかで優しい笑みを浮かべる。

それはきっとずっと仲良しである倉山兄弟も見た事のない、私だけが知っているヒイラギだろう。



「そんな感謝される事をした覚えはない……! でも受験が終わって落ち着いたら、
ヒイラギの見た事のない物をいっぱい見せてあげるから。
その代わり1つ約束して。ヒイラギは私がいる間は死なないから。
だから私が一緒にいる間だけで良い。死ぬような時が来るなんて話はしないで」


私と一緒にいてヒイラギが死ぬような時が来ない根拠なんて何処にもない。

それでもヒイラギにはもうあんな辛い目には遭って欲しくなくて。


「……分かった。出来るだけ言わないようにする。紗千」

「うん。じゃ、帰ろうか」