「なぁ、真麻」 ドキドキしているあたしよそにに、冷静な薫がバックを抱いて机の上に顎を置いたままどこかを見ながら話し出す。 「俺らもうすぐ卒業じゃん」 「あ、あぁ…そうだね!」 いきなり、何を言い出すかと思えば卒業だなんて薫っぽくない。 しかも、妙にしんみりしている。 「俺さー県外行くじゃん」 「…うん」 そう言うと、ボーッとどこかを見つめていた薫が、突然あたしを真っ直ぐに見てきた。 そんな薫にどぎまぎして、チロチロと視線を泳がす。 だって、やっぱり照れるし恥ずかしいっ。