「止めろよ、うるさい」 出たーっっ! イジワル飛鳥君。 あの日以来、優しい飛鳥君はイジワル飛鳥君に変わってしまったのだ。 「なんだよ、飛鳥。邪魔すんな」 苛立つ薫を押し退け、あたしの隣を通るときそっと焼きそばパンを渡された。 「…えっ?」 慌ててパッと飛鳥君を見上げる。 飛鳥君は優しく笑って、あたしを見ていた。 ドクン。ドクン。 いかん…ときめいてしまった。 波打つ胸に手を当て、赤くなった顔を隠すように俯く。