今にも噛みついて来そうな薫に少し後退。



「今まで、どんなに走っても売り切れてしまう焼きそばパンをこれまで諦めずに追い続け、やっと手に入ったというのに…お前は……!」



拳を握りしめ、プルプルと震えながら歩み寄ってくる薫にさすがのあたしもまずいと感じた。



手を合わせて、頭を下げる。



「ご、ごめんっ!そんなつもりはなくて…薫がこの焼きそばパンにそんな思い入れがあるなんてっ」



でも、薫の怒りは収まる様子はなくめちゃめちゃ怒っている。



これは、飛鳥君に怒ったとき以来の怒りっぷり。



まじで殺される、そう思ったときだった。