薫とは、幼なじみで生まれた頃から兄弟のように育てられてきたため、本当の兄弟のようになんでも言い合える。
そんな関係が、あたしはちょっぴり本当にほんのちょっぴり気に入っている。
薫には口が裂けても言わないけど。
「いいから、お茶飲みなよ。休憩終わっちゃったよ」
無理矢理押し付けてるあたしに、薫は眉間にシワを寄せながらも飲み干した。
「よしゃ!もう一踏ん張り。一緒帰ろーな」
コップを渡しながら、そう言うとグラウンドに駆けていってしまった。
今日は、飛鳥くんと帰る約束しているのに。
そんなことを、思いながら薫の背中を見ていると後ろから来た飛鳥くんが
「3人で帰るか」
って笑って、あたしの頭を撫でてくれた。

