苦しいくらいに、胸の奥が掴まれる。



ぎゅうって胸が鳴って、息が上手く出来なくなった。


「薫…」



「俺の名前を呼ぶな…奪いたくなる」



顔を背け、苦しそうに呟く。



そんな顔…しないでよ。


あたしまで、切なくなる。


泣きそうな顔を歪めて、薫はあたしの胸に顔を埋めた。