そして目の前に居た彼は、黒猫に姿を変え、バルコニーへ出る。 「ウィズ、お前はきっと 喜ぶはずさ」 「・・・・どういう意味だ」 「それは、その「役目」が来るまでの、お楽しみだよ」 その言葉に嫌気をさした彼は、軽やかに木へ飛び移り、そしてそのまま姿を消した。 「シンデレラも、嬉しがるに違いないよ」 それは彼女にも、魔法使いにも、届かない言葉だった。