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「体を冷やすと、前にも言っただろう」
空が闇に染まった中 彼女は一人、バルコニーで月を見上げていた。
「王子様・・・・」
彼は毎日 彼女が眠る前に、傍に居てくれる。
それは 彼女の事を思ってなのか、はたまた逃げ出さないように、眠ったのかを確認するためなのか。
シンデレラは ずっとそう思い悩んでいた。
不覚にも、この生活に慣れていくたびに、王子にも慣れていってしまっている。
冷たい心をもった 歪んだ彼なのに、時々の優しさが、彼女の心を混乱させる。
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