彼は静かに、シンデレラの頬へ触れる。
彼女は視線を逸らしはしなかったけれど、僅かに体を震わせた。

そんな愛しき彼女の姿を見て、王子は思い煩う。


今すぐ、君を強く抱き締めたい。


( ごめんなさい )


謝らなくていいのだと、知ってもらいたい。

僕の想いを伝えれば、きっと君は安心するだろうに。

あぁ、けれど僕は 歪んでしまった人間(者)。


( 邪魔だ )


歪んだ愛しかしらない僕は、優しい愛し方なんて、分からない。

だから僕は きっと君を傷付けてしまう。


「・・・・・っ」



それでも僕は、君が欲しい。