「え?」
「もうこんなのイヤだよ……もう辛い生活するなんてイヤだよ」
「麻衣……」
「もう見捨てられるのはイヤッ!!」
「麻衣!!ちょっと待ってっ!!」
笹川がその場から逃げ出したあと、莉乃って女は泣きながらどこかに走って行った。
そして俺は、気づいたら笹川のあとを追っていた。
「笹川待てよ!!」
莉乃って女が一番気になったけど、それ以上に気になったのはやっぱり笹川だった。
「放してっ!!」
笹川の腕を掴んだ俺を、笹川は簡単に振り払った。
「ちょっと待てって!!」
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