泣きながら謝る莉乃という女に、笹川は呟くようにこう言った。


"……あたしは謝ってほしいなんて思ってない"




「麻衣、ごめんね。あたし麻衣のことなんにもわかってあげられなくて、ほんとにごめんね……」


「やめてよ!!……なんで莉乃が謝るの?莉乃はなにも悪くないんだよ?」


「麻衣をこんなに冷たい人間にしたのは、あたしにも責任があるからだよ。……あたしが麻衣のこともうちょっと考えてあげられたら、麻衣はこんな人間になんてならなかったかもしれないから」


「違う!!……莉乃はなにも悪くない。莉乃は関係ない!!」


「……麻衣、もう強がるのはやめなよ」