「お前はアイツと幸せになれよ」


「……宏輝はこれからどうするの」


「親父の仕事の都合で海外に行くことになった。……だから親父と一緒に海外に行くよ」


「……そっか」




せっかく逢えたのにまた逢えなくなるなんて……。


あれだけ憎くても、やっぱり"幼なじみ"だから寂しい部分もある。




「……今までごめんな」


「ううん……もういいよ」




今日初めてわかった。


どれだけ相手が憎くても、血のつながりがあればどこか寂しい気持ちがあるって。




あんなに憎くて仕方なかったのに、いまは逢えなくなるって事実をどこか否定したい。