「……おはようございます」


「ああ……おはよう」




あの日から数日。


俺たちは気まずくて会話しかしていない。




「麻衣」


「……宏輝」


「教室まで送ってくよ」


「……うん」




笹川は俺に頭を下げると、そのまま宏輝という男と一緒に立ち去って行った。


……あの男は知ってるのだろうか。




「……ふう」


俺たちがベッドの上で愛し合ったことを……。




でももしあの男がそんなことを知ったら、きっと俺を殴るだろうな……。


笹川を愛してしまったのだから……。