「……仁科、彼氏が呼んでる」


「え?あっ、うん。わかった」




俺は用件だけ伝えるとそのまま教室へ入った。


彼氏の方へ駆け寄る仁科は、どことなく嬉しそうだった。




「アイツ、いつの間にか彼氏できたのかよ」


彼氏と仲良く話す仁科を見て、日高がそう呟いた。




「……みたいだな」


まぁ仲良くしてるみたいだから安心した。




「でもさ、あれはアイツなりのケジメなのかもな」


「え?」


「ほら、アイツお前のこと好きだったろ?……お前のこと諦めようとしてたみたいだし」


「……かもな」