「―――――どれだけ嫌いでも、どれだけ憎くても、あなたがあたしの母親だってことに変わりはないことです」


「……麻衣」


「あたしはあなたが嫌いです。でもあなたがあたしの母親だってことに変わりはありません。……失礼します」




あたしはあの人に軽く頭を下げると、そのまま部屋を出た。


そしてすぐそこにメイドの姿。




「おっ、お嬢様……」


「……いまの話聞いてた?」


「はっ、はい!!申し訳ありません。盗み聞きするつもりはなかったんですが……」


「いいよ別に」


「……え?」


「あの人にはこのこと言わないでね」