「……ただいま」


「お帰りなさいませ。お嬢様」


「……だからお嬢様はやめてって何回も言ってるでしょ」


「あっそうでした。……すみません」


「……まぁいいけど」




あたしはそのまま部屋へと向かった。


部屋に戻ると、ふと静けさを感じた。




「……はぁ」


誰も居ない部屋って、こんなに静かだったんだ……。




「……っ」


ベッドに座り込み屋上での出来事を思い出す。




"生まれてきちゃイケない子なんて、この世には居ないぞ"と先輩はたしかに言った。


そしてあたしを見つめる先輩は、切なげな瞳をしていた。