ガラッ!!


ちょうど病室の真ん前で、笹川の母親が目に涙を溜めながら病室から出て行くのが見えた。




「……どうしたん、ですかね」


「……さぁ」




そして病室のドアに手を掛けた時、病室から笹川の啜り泣く声が聞こえてきた。


……笹川?




「麻衣……やっぱり母親となにかあったのかな」


そうなることが予測していたかのように、莉乃が小さな声で呟く。




「……え?」


「麻衣と母親を二人にしたら当然、なにかあるのは当たり前だと思うな。……あの二人かなり仲悪いし」


「…………」