「麻衣、ほんとによかった。心配したのよ」
「……一体なにしに来たんですか」
「なにって……もちろんお見舞いに決まってるじゃない」
「……運動会も文化祭も来なかった人が、こういう時だけ母親面するのやめてください」
「……そうよね。ごめんなさい」
「……今さら謝らないでください。謝られても、あなたのことを許す気はありませんから」
「そうよね……私はあなたにヒドいことをしたんだもの。簡単に許せるわけないわよね」
「……仕事にしか興味がないあなたでも、娘のお見舞いには来るんですね」
「当たり前じゃない。……あなたは私の大事な娘だもの」



