「……ねぇ」


資料室へ向かう途中、誰かに声を掛けられたあたしは声の主の方に振り返った。




「……なんですか」


「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」


「……聞きたいことってなんですか」


「咲哉のことなんだけど」


「……先生に用を頼まれたんで手短にお願いしますね」


「わかった。手短にいくわ」


「どうも。……ところで用件はなんですか」


「あなた咲哉のことどう思ってるの?」


「……どうって?」


「あなたと咲哉ずいぶん親しいみたいだけど、二人は付き合ってるの?」


「……付き合ってませんよ」