短編集*虹色の1週間


待合室の友達を見ている、アユミ。

「・・・」

その唇が、動いた。

「・・・先生、ウザイ」

アユミはすっくと立ち上がると、

「帰る」

と一言発して処置室を出て行った。

残された澤木と看護師の桜井は、少々呆気に取られてアユミを送り出す。

「・・・若い子って、よく分かりませんねぇ」

「よく分からないんだと思いますよ、自分でも」
澤木は苦笑い。

「で、ウザイってなんですか?」

「知らないほうがいいですよ、先生」