そうだよ。パンツを穿いてシャワーを浴びる人なんて、普通いない。

だから、つまり……そういうこと、なんだ。


「どうぞっ」


あたしは、タオルを持った手を後ろへ伸ばした。

振り向けるはずがない。


「サンキュ」


背中で声がした。

ちょっと低く、どことなく甘い。
何故か、胸の中をくすぐられたようなそんな感覚を覚えた。

でも、一片の布すら見に付けていない見知らぬ男と二人っきりなんて。これ以上いられるわけない。


「失礼しましたっ!」

慌ててドアを開けようとした、その時

「待って」

肩を掴まれた。