ボストンバックを置いてチケットを確認する。そして周りを見渡した。


こっち? ううん違う。あっちから来たんだ。

ん……あれ?

あたし、どっちから来たの?

ウソっ 完全にヤバイじゃん。


もし飛行機に乗り遅れたりしたら……帰る家はもうないのに。

そうだよ。あたしに戻る場所なんてないんだから。

誰かに訊いてみる?……って、誰に?


考え込んでる時間もないのに、またも途方に暮れそうになる。

もうっ どうしよう~!!

とその時、目が合ったんだ。