母は静かに話し出した。



「歴史を変えるには……代償がいるの。その代償は――…。」


―――…魂、ひとつ。





私は納得した。

だから私は消えるのか……。




「命じゃなく、魂なの。つまり、輪廻から外れるわ。」






輪廻から外れる。


つまり、魂が消えて消滅し、生まれ変わることができない。



来世で会うなど……出来ないのだ。






『そっか。………そっか。』


覚悟は、していた。

大丈夫。



私は着物の裾をギュッと掴んだ。




消える、覚悟は出来ていた。



しかし






「ねぇ、瑠偉。私が身代わりになるわ。」


唐突に
しかしハッキリと

確かに母はそう言った。