私がはなせば、 「やっぱりかまきりのはなしはいつきいても面白い」 そう言ってくれるのだ。 ただの風邪。 そう思うのに、やはり病状は悪化するだけだった。 このまま死んでしまうのではないか、 そんな考えが頭をよぎって私は涙を流しそうになる。 もし薔薇の姫がいなくなったらどうしよう。 私はもとの生活にもどれるとは思えなかった。