そして、キリっとしながらあたしを見つめて、
「・・・男の匂いがする。」
ポツリ呟くのだった。
はーい?
今の聞こえなかった。
幻聴だったのかしら。
うほほっ、聞き間違いよね。
「えっ、何だって?」
ナル君の言葉にドキっとしてしまった。
「ヒヨリンから男の匂いがする。」
ついに、あたしは性転換を手術なしに
転換してしまったというのか?
それは人類の快挙だ!!
「ごめん、それ傷つく。
いや、だいぶ精神的なダメージを受けた。
つまり、あたし親父臭い的なことですよね。
ヤダヤダヤダヤダヤダ、男じゃない!!」
ナル君が素直なのは知ってるけど、
そんなズバッと言われると泣いちゃうわ。
「違う。誰かと一緒に居た?」
な、ナル君の男の勘ってヤツですか?
「えっ、むさ苦しい連中の匂いと違いますか?」
入り口前混雑してますよ。
すげー男臭かったですよ。
「それとは違う。何か、・・・ムカつく匂い。」
どんな匂いですかそれっ!?
ムカつくってどれどれ。
うげっ、あの野郎最低だ。
油断してた。
畜生、こんなことなら背負い投げしとけば良かった。
人を散々コケにしといてまた厄介事を・・・・
次会ったらさーちゃんの飛び蹴りとあたしの
剛腕パンチ食らわす処刑を行おう。
しっかり付いた煙草の匂いとあの野郎使用の
香水の匂いが微かに付いてたらしい。
「き、気のせいではないか?
それとも幽霊さんに抱きつかれたとか!!
この野郎、離れたまえ。」
1人小芝居を繰り広げる哀れな女子高生。
ナル君が呆れるのも時間の問題だと思った。

