だったら、早く取ってしまえよ。
「すいません、遅くなりました。」
慶詩が蓑虫を上手く交わすのを横目に、
「あっ、もっくん!」
頼りになるもっくん登場に良かったと思った。
もっくんは鋸を片手に竹藪に入ってきた。
「ひーちゃん、危ないからあっち行って。」
さすが、森のクマさん。
竹藪から出ろとのことでバイクの停まってる
ところまで戻る。
「もっくん、こっちのが良いよ。」
ユウヤと慶詩の笹評論会が開催された。
確かに、これは結構慎重に決めてもらいたい。
短冊にお願いごとを書くのだからな。
「もっくん、あたしはそっちがいいと思う。」
一際、大きく太い竹を見つけて指さす。
これぞ、立派な笹よね。
「ひーちゃんさすが」
もっくんが鋸でその竹を切り落とした。
それはもう電光石火の速さでびっくりした。
もっくんは将来竹取してかぐや姫を見つけて
しまうかもしれない。
「おお、いいじゃんコイツ。」
あたしの選んだ竹を気に入ったのかユウヤは
もっくんの竹にへばりつく。
「ユウヤ、もっくん困ってるよ。」
鋸と竹とユウヤを持っているようなものの
もっくんは本当に困ってたのであたしが
助け船を出したのだ。
「うおっ、すまねぇもっくん。」
ユウヤ、すごいテンション上がり過ぎだ。
そんなに楽しみだったのかよ。
ユウヤが嬉しいそうだとあたしも嬉しいけど、
はしゃぎすぎると体力持たないよ。
「んじゃあ、行くぞ。」
慶詩が蓑虫と戦いながらバイクのところまで
戻って来るとユウヤを待たずにエンジンを掛けた。
もっくんは竹を肩に乗せるとノソノソと歩いて
先を行ってしまった。
ユウヤは慶詩のバイクに飛び乗る。

