けど、どっちから来た?
それがまずの問題だ。
何でここに来て道が数本もあるんだ!!
「ヒヨリン覚えてないの?」
あたし任せか!!
よっちゃん未だお空を仰ぐ。
そんなにお空とお顔を会わせてたいのね。
「えっと、こういう時って風の方向を
確かめるといいんだよね。」
さっきはこっち向きの風だった。
頬を掠める風が背中を押すようになった。
元に戻るにはこっちかな?
何せ、ケータイは意味がないから持ってきてない。
真っ直ぐだからって地図もない。
本当にただの手ぶらで来たんです。
懐中電灯一本で何とも間抜けだ。
でも、それが肝試しの醍醐味です。
「さすが、ヒヨリン。
頭がいいだけあるー!!」
よっちゃん、帰ったら説教するぞ!
その根性ダディに叩き直してもらった
方がいいと思う。
「こっちかな?
風の向きからするとだけどね。」
間違えたら確実に朝までこのままだな。
野宿ってヤツか。初めてするわ!
「じゃあ、迷っててもしょうがねぇし
こっちに行くぞー!」
ユウヤを先陣に進むこと数十分。
ど、どうして辿り着かない。
そろそろマーボ地点じゃない?
さすがに、これは迷子だね。
いや、嫌な予感はしていたんだ。
この2人となった時点であたしは
覚悟を決めなきゃいけなかったね。
慶詩と伊織君にはケラケラ笑われたもんね。
ユウヤが居るだけまだマシじゃねぇのって
言ってたけど、確かにそうだね。
ソワソワしてたユウヤが意外と冷静だ。
新たな一面を見た気がするよ。

