サユが来るまで不良メンバーズはみんなで

姐さんが来るまでに準備体操しておきますとか

言い出す始末だ。

「そういえば、気になってたことがあるんだけど?」

馨君の言葉にキョトンとした顔を向ける。

未だ、この一列に座るあたしたち。

「馨君の気になることって何?

とっても、ワクワクする!」

ドキドキワクワクしながら馨君の口が

開くのを待った。

「日和ちゃんって甘いもの苦手じゃなかった?」

へぇ?

今、何を言いましたか?

「ワンスモアプリーズ」

パチパチ瞬きをして馨君を見つめる。

「いや、かき氷って結構甘くないかなって・・・」

かき氷の話ですか。

そうですね、確かに最後らへん結構辛くなる

んだよね。

シロップの原液を飲んでるみたいでさ。

でもね、これは・・・・・

「特別なんだよね。

かき氷はオレンジしか食べないの。

あたしはチーズケーキとオレンジ味の

かき氷には特例を出してる。」

チーズケーキの話はまた今度にでも

しようと思う。

かき氷には特別な思い出がある。

「オレンジ味しか食べないの?」

ナル君が小首を傾げる。

もう可愛いっす。

「贅沢な奴だな。」

慶詩、マジで喧嘩売ってる?

「うん、他の味は甘いからうぇってなっちゃう。

オレンジってさっぱりしてるっていうか・・・

何でもオレンジが好きだったから。」

庭にオレンジの木が植えてある。

それは父さんがオレンジを好きだからなんだ。

あたしが生まれた日に植えたそのオレンジの木

を父さんが好きなようにあたしも好きになった。