一度零れたら、もう止められなかった。 泣いたら駄目だって分かってた。 だって一番泣きたいのはパパだから。 そんなの分かってる。でも、我慢なんて出来なかった。 「大丈夫だから」 ママはあたしの頬をその手で挟んだ。 「ありがとね」 パパはあたしの頭を軽く叩いた。 その温かさが辛かった。 想像もしてなかった。 この温もりを失うかもしれない恐怖… 嫌なことばかりが頭を過ぎった…