「……」

呆然として突っ立っている俺に、風が襲いかかってきた。

そして、俺の頭の中では香に言われた言葉が離れない。


沙羅を諦めろ

「…っわけねーし」


沙羅を誰よりも愛してるのは、俺だ。

沙羅を諦めるわけねー


びゅーびゅーと吹く風が、俺の心を冷やしていく