しばらく屋上で突っ立っていると、魁がポンと俺の肩に手を置き、「ゴメン」と呟いた。 魁の顔は、俯いているため見えない。 「俺行くわ」 そう言って魁は屋上を去った。 俺は、ドアを荒々しく閉め、沙羅の教室が見える位置まで行く。 「――沙羅」 沙羅に触りたい。 沙羅に会いたい。 沙羅の声が聞きたい。 沙羅、沙羅、沙羅ー……