「沙羅は俺のモノですから、手ぇ出さないで下さいね…♪」 先輩は黙り込み、眉をひそめた。 「あ、もう1時限目終わりますね。俺行きます」 ドアに手を掛けると 「――待てよ」 先輩に引き止められた。 「なんですか?」 ニコッと返すと先輩は、真顔で近づいてきた。 「取られたら、取り返す。“四角関係”でもな」 “四角関係” 俺達は、“三角関係”ではなく、“四角関係”。 ライバルが1人多いのだ。