「…何、兄貴」 「沙羅は渡さねー。何がなんでも渡さねーから」 それだけ言い、兄貴は沙羅が入って行った教室に入ろうとした。 だが、俺はそれを呼び止めた。 「俺だって、渡さない。沙羅を泣かせるような男(ヤツ)になんか渡さない」 言いたい事を言い、俺は教室に向かう。 でも、そんな気分ではない。 「…屋上行くか」