それでも彼は動じなかった。 妹と刺し違えるのを覚悟出来た彼が、金持ちでヤクザ紛いでちやほや育ってきた女に動じるわけがなかった。 第一印象はあまりよくないなんて、普通。 まして、育ってきた環境が違いすぎる二人。 暴走族とお嬢様。 正直、彼はその時運命を感じるどころか、嫌悪感しか感じなかった。 2度目に会ったのは、居酒屋のカウンター。 未成年が何故ここに居るのか分からなかったけど、亜利哀は酔っていた。 酔って、頬が紅くて…それを送ってやったのが始まりだったように思う。